みなさんこんにちは!
細胞性食品の開発がアメリカ、イスラエル、イギリスで進んでいる中、近年日本でも細胞性食品(培養肉)に関わる研究をする企業が増えてきましたね!
今回の記事では細胞性食品(培養肉)に関わる日本のスタートアップ、大企業の概要 についてご紹介します!
直近のニュースや企業の研究内容、新たにできた協会等も併せて掲載しているので、是非ご覧ください。
主なラインナップはご覧の通りとなっています。
スタートアップ
- インテグリカルチャー株式会社
- NUProtein株式会社
- ダイバースファーム株式会社
- オルガノイドファーム
- 株式会社Hyperion FoodTech
大企業
- 日清食品ホールディングス
- 住友商事
- 三菱商事
- 明治ホールディングス
- フード&ライフカンパニーズ
- 味の素
- 島津製作所
- 日本ハム株式会社
- 株式会社三菱総合研究所
- 伊藤ハム米久ホールディングス株式会社
- 株式会社荏原製作所
「培養肉未来創造コンソーシアム」
「バイオインダストリー協会Food Bio Plus 研究会」
「CulNetコンソーシアム」
「一般社団法人細胞農業研究機構」
では早速、各企業、協会の概要を詳しく説明していきます!
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【インテグリカルチャー株式会社】
日本初の細胞農業に関するスタートアップ企業。
2022年12月23日 公立大学法人滋賀県立大学と株式会社エイゾスとともに、独自に開発した新たな細胞培養技術「CulNet® system」(以下、「カルネット システム」)を使った培養肉の製造におけるライフサイクル・アセスメント(LCA:Life Cycle Assessment)※を確立するための共同研究を開始したことを発表した。
※ライフサイクル・アセスメント(LCA:Life Cycle Assessment)とは、ある製品・サービスのライフサイクル全体(資源採取―原料生産―製品生産―流通・消費―廃棄・リサイクル)又はその特定段階における環境負荷を定量的に評価する手法。
2023年2月21日 フランスの高級食材「フォアグラ」として知られるアヒルの肝臓を形成する細胞を培養し、食品素材として利用することに成功しました。なお、今回の成果は、弊社の特許技術であるCulNet®︎(カルネット) システムを核として、細胞性食品(培養肉)の開発を共同で進めている「CulNet®︎(カルネット) コンソーシアム」の協力のもとで実現されたもので、これまで食経験があり安全性が確認されている成分だけ用いて細胞培養することが可能となった。また、従来の細胞性食品(培養肉)の製造には、動物由来の血清や成長因子が使われるが、高価なため、細胞性食品の生産コストを押し上げていた。そうした中、インテグリカルチャーは、血清や成長因子をまったく使わない、世界初となる「食べられるアヒル肝臓由来細胞」をつくることを可能にした。
HP:About us | IntegriCulture Inc.
news:News release | IntegriCulture Inc.
【NUProtein株式会社】
2019年7月7日、クローニング不要で膜タンパク質、分泌タンパク質、転写因子、リン酸化酵素、細胞毒性のあるタンパク質等が簡便(ハッスルフリー)に合成できる無細胞タンパク質合成試薬キットの販売を開始した。
news:https://foodtech-japan.com/2022/05/18/nuprotein-2/
【ダイバースファーム株式会社】
バイオ技術を持つティシューバイネット㈱と、ミシュランで認められた調理技術を持つ「雲鶴」が共同で設立した企業。
HP:https://www.diversefarm.com/
news:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000083298.html
【オルガノイドファーム】
日揮グループが2021年11月29日に設立した企業。ミニ臓器を作る技術(オルガノイド技術)を使った培養肉の研究をしている。
HP:https://organoid.farm/#technology
news:https://forbesjapan.com/articles/detail/52614?read_more=1
【株式会社Hyperion FoodTech】
2023年7月3日、ヒト 胚性幹細胞(ES細胞)の樹立および維持の技術を応用して、国産牛の受精胚に由来する多能性幹細胞の樹 立および維持に成功し、これまでに4株バンク化した。
news:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000124565.html data01 (hyperionft.jp)
【日清食品ホールディングス】
2022年3月31日、日本初の「食べられる培養肉」の開発に成功。東京大学大学院情報理工学系研究科の竹内 昌治教授のチームと「培養ステーキ肉」の実用化を目指し、2017年度から研究を共同で進めていた。
2024年度中に幅7cm×奥行7cm×厚さ2cm、約100gの「培養ステーキ肉」の基礎技術の確立を目指している。
HP:https://www.nissin.com/jp/sustainability/feature/cultured-meat/
news:https://www.nikkei.com/article/DGXZRSP629597_R30C22A3000000/
【住友商事】
2020年5月29日、米国の培養魚肉製造スタートアップBlueNalu社への出資を発表した。
HP:https://www.sumitomocorp.com/ja/jp/news/release/2020/group/13440
news:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59760000Z20C20A5XQ9000/
【三菱商事】
2021年1月5日、イスラエルの培養肉スタートアップAlephFarmsと日本への培養肉導入について了解覚書(MOU)を交わした。
HP:https://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/bg/food-industry-group/
news:https://foodtech-japan.com/2021/01/06/aleph-farms-mitsubishi/
【明治ホールディングス】
2021年11月18日、細胞培養によるカカオの製造を手掛ける米スタートアップCalifornia Cultured社への出資を発表した。
HP:https://www.meiji.co.jp/learned/cacaosdgs/
news:https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/21/12/09/08933/
【フード&ライフカンパニーズ】
2022年1月25日、クロマグロ、ブリなどさまざまな培養魚開発を手掛ける米企業BlueNaluと提携し、寿司ネタで人気の高い「トロ」に焦点を当て日本市場においてブルーナル製品の商業化で協業する。
HP:https://www.food-and-life.co.jp/
news:https://www.sankei.com/article/20220219-ED2M73GP4RMSTFY5CYKRU2J4LE/ https://foodtech-japan.com/2022/01/29/bluenalu-4/
【島津製作所】
細胞繊維を重ねる工程を自動化した装置の開発を進めている。これは、これまで行っていた手作業の、何倍もの速さで細胞を製造でき、培養肉の生産スピードを各段に上げられる。「培養肉未来創造コンソーシアム」は、2025年に開催される関西・大阪万博「大阪ヘルスケアパビリオンNest for Reborn」で、培養肉をテーマに展示を計画している。そこでは、先述の装置で製造した培養肉の試食イベントも検討している。
HP:https://www.shimadzu.co.jp/today/20230710-1.html
news:https://www.shimadzu.co.jp/news/2023/ptvyp21r7kyw_6fh.html
【日本ハム株式会社】
2022年10月4日、養肉の細胞を培養する際に必要となる「培養液」の主成分を、これまで用いられてきた動物由来のもの(血清)から一般的に流通する食品由来のものに置き換えて、ウシやニワトリの細胞を培養することに成功した。今回の成功により、培養液のコストで大きな割合を占める動物血清を、安価かつ安定的に調達可能な食品に代替できる。
HP:https://www.nipponham.co.jp/news/2022/20221004/
news:https://kyodonewsprwire.jp/release/202210047633
【株式会社荏原製作所】
2023年6月21日、脱分化脂肪細胞(dedifferentiated fat cells)の開発者 日本大学 生物資源科学部 加野浩一郎教授と、培養肉製造を目的とした共同研究を開始した。
HP:https://www.ebara.co.jp/corporate/newsroom/release/company/detail/1211352_1673.html
news:https://jbpress.ismedia.jp/ts/ebara_special/05/
【培養肉未来創造コンソーシアム】
- 大阪大学大学院工学研究科
- 株式会社島津製作所
- 伊藤ハム米久ホールディングス株式会社
- 凸版印刷株式会社
- 株式会社シグマクシス
「3Dバイオプリントによる食用培養肉製造技術に関する社会実装の具体的な取り組み」を目的としている。2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)での展示など、「生活者の理解促進につながる情報発信」に注力し、世界に先駆けての培養肉食用化の実現を目指す。
news:https://www.toppan.co.jp/news/2023/03/newsrelease230329_1.html
【バイオインダストリー協会Food Bio Plus 研究会】
「人と社会と地球」の健康を目指して、フードテックを活かした食料システムにおける社会課題の解決とグローバルを意識した産業の発展の支援を目的としている。
HP:https://www.jba.or.jp/activity/study_group/food_bio_plus/
【CulNetコンソーシアム】
- インテグリカルチャー株式会社
- 大倉工業株式会社
- 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社
- ダイダン株式会社
- 千代田化工建設株式会社
- 日産化学株式会社
- ハウス食品グループ本社株式会社
- 株式会社浜野製作所
- 株式会社荏原製作所
- アクアティセル
(インテグリカルチャー株式会社を中心に「CulNetコンソーシアム」に協力している)
CulNetコンソーシアムは、将来的に誰もが使える細胞培養インフラとして普及することをゴールとし、CulNet System™のハードウェア、消耗品および生産・流通方法をオープンイノベーションで開発することを目的としている。
news:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000034252.html
【一般社団法人細胞農業研究機構】
細胞農業研究機構は、細胞性食品と日本の関連産業や消費者とのより良い関係の構築に向けて、関係者が一丸となって考え、透明性の高いコミュニケーションや国内産業・消費者に貢献するような仕組みづくりを目指す研究組織として、2022年12月に発足・法人化された。日本の細胞性食品の販売や流通に向けたルールメイキングを行っている。
news:https://news.yahoo.co.jp/articles/efe1642f0b16870b2b30b4653403bce22a83b0e8
https://news.goo.ne.jp/article/ssnp/business/ssnp-20230629-514555.html
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いかがだったでしょうか。
日本には細胞性食品(培養肉)に携わる企業が数多くあることがわかりますね。
今後も日本の細胞農業界が発展していくことを期待しましょう!
(最終更新 2023/8/24)