細胞農業とは

細胞を育てて、食料・資源をつくりだす。

1待ったなしの地球環境と社会課題

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細胞培養技術を用いた新しい農業や水産業が世界中から注目されている理由は、社会課題にあります。

将来的に人口増加が進んだ時に起きるタンパク質不足など食料問題に対して、従来の生産方法だけではカバーしきれない、また生産を拡大することで多大な環境負荷や水産資源の枯渇などの課題があります。

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2その解決手段として注目される細胞農業

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代表例が家畜や魚などの細胞を体外で生育して、必要な分だけの食用肉をつくる「培養肉」。

既に牛肉や鶏肉、フォアグラなど肉だけでなく、サーモンやエビなど魚介類の生産も試作品レベルで実現しています。2020年12月には、世界で初めて、シンガポールにおいて培養鶏肉が販売承認されました。

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3お肉に留まらない多様な可能性

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そして培養肉がつくりだす可能性は、社会課題の解決だけではなく食の多様性にもあります。おいしさの追求や食文化の創出や継承、健康や環境に合わせた未来の食のデザインなど食の楽しさや多様性も世界中で開発と挑戦が続けられています。

また、食用肉以外にも牛乳、チョコレート、皮革など細胞農業/水産業の領域は拡大中。持続可能な社会実現のために、そして多様な食や素材開発の可能性に対して世界中から注目が集まっています。

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4実現には幅広い立場・分野の連携が不可欠

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世界中で細胞農業に関する技術開発が加速する一方で、技術課題はもちろん法整備や社会実装などの課題もあります。この技術には、畜産農家、漁業従事者など従来の一次産業従事者との連携が欠かせません。

他にも生産コスト、新規参入する際の指針、技術に対する情報公開や一般理解、生産から流通までの全体を見据えたルール作りなど、細胞農業が社会全体の利益になる形で実現するための課題解決が求められています。

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